来たる1月26日、福岡を目指して芦北町から北上する妖怪さんがなべざんまいに現れました。なべざんまいは新年を祝う韓国料理のフルコースで歓待しました。ということで、運営者の一人が腕によりをかけた妖怪さんも絶賛の料理の数々をここにご紹介いたします。
お雑煮(떡국)キムチと食べるとなおおいしい
ドングランテン(동그랑땡)と チヂミ(지짐이)
ノビアニ(너비아니)
ただの目玉焼き
そしてなぜかラオスに飛んだ運営者の一人も鍋で連帯!
たいへんおいしかったです。ところで我々は正気にかえりました。妖怪さんとは何者なのか。絵本作家です。ということで手始めに『クッツケロ』を紹介してもらったのですが、言葉のセンスが絶妙!思わず笑ってしまいます。
絵本というのはたいへん奥が深く、短いことばと絵を組み合わせてストーリーを演出する総合芸術です。妖怪さんはさらに読み聞かせもします。
【ナンダコーレ】グル グル グルポン-かとうしい- D:世界のサイガート
キレッキレですね。圧倒的な説得力。ただ者でないことはこれでわかります。あとは妖怪であることを証明するばかりです。
妖怪とはずばり、永遠に楽しく生きる物語である。物語とはずばり、縁の束である。縁の結びがここにこうして「妖怪さん」として現れているのです。妖怪さんはそれをホワイトボードに図示します。これは……!そうです。南方曼荼羅です!
妖怪になる前の妖怪さんは芸術家/建築家の荒川修作さんと出会いました。荒川さんは「人間は死ぬものだ」という通念があらゆる芸術、哲学、思想、およそ人間の為すこと考えることを縛っていることに反発し、「人間は死なない」を本気で追求している方です。実際、妖怪さんは荒川さんの設計した「天命反転住宅」に住んでいるのですが、そこでは人間が死なないのです。死という物語を反転することをコンセプトに設計されているのです。ネットにいくつか写真がありますが、これはやばい。行きたい。
妖怪になる前の妖怪さんは荒川さんにうたれ、その思想をさらに拡張します。絵本は何を描いているのか。物語です。それなら最もラディカルな絵本作家は、自分自身が物語になればよいのではないか。そのとき、物語はもはや架空のものではなく、現実の、実在のものとなっているはずです。そうだ、物語しよう。
そのテーマに選んだのが、最も物語的な物語である「妖怪」でした。妖怪は死にません。物語は死なないからです。私たちの存在が物語である――こうして妖怪さんが身をもって証明することで、荒川さんも喜んでくれるのではないでしょうか?
拙筆がたたってわかったようなわからないような紹介になってしまいましたが、これだけの生き方をしている方と出会っただけでも重大なことです。私たちもこのご縁を大切にしたいです。