ナベノハウス活動記録

熊本コモンハウス「ナベノハウス(鍋乃大厦)」@KNabezanmaiの活動記録です

人吉にボランティアに行ってきました

4連休ですが感染者急増であまり遠出もできません。

せっかくなので昨日人吉にボランティアに行ってきました。ちょうど被災から3週目、節目の日でもありました。

災害ボランティアに行くことが初めてだったのでいろいろ学びもあり、ここで報告してみます。

そもそも「そうだ、ボランティアに行こう」と決めたのが4連休直前の22日23時。23日に準備して24日に行こうとするも大雨で中止、翌25日に参加してきました。

ボランティアに行くとき一番参考になったのはこちらのサイトです。

kumamoto.shienp.net

ボランティアは各市町村の社会福祉協議会が運営にあたっているので、そのfacebook等で現地の状況を確認することができます。人吉市八代市相良村などが、県内からの参加者を現地で受付しています。

ボランティアに行く前に、保険に加入しておく必要があります。移動の途中や現地で事故にあうなどの不測の事態に対応するためで、加入が義務付けられています。

reg18.smp.ne.jp

ボランティアに行くための準備ですが、何の災害を受けたのかによって必要な準備も変わってきます。今回は水害ということで「水害ボランティア作業マニュアル」を参照しましました。

www.saigaivc.com

MrMaxで長靴、ゴム手袋、帽子、飲料などを買いました。安いので済ませてしまいましたが、いざ被災地に行ってみると汚泥を掻き出す作業がかなり大変でした。異臭を放つ泥が手袋や長靴の中に入るのはあまり気持ちのいいものではありません。長靴やゴム手袋は口が閉まるタイプだと作業中に泥が中に入って来なくていいと思います。

高速道路は、一般道が通行できなくなった影響で八代ー人吉ICが無料になっていますが、県内から参加する場合は高速道路の無料措置を受けることができます。往路・復路の用紙を印刷し必要事項を記入しておく必要があります。ETCではなく一般で通行券をもらって、それを一緒に提出するしくみです。

corp.w-nexco.co.jp

人吉市災害ボランティアセンターは東間コミュニティセンターに設置されていて、人吉球磨スマートICが最寄です。(ICを降りて5分くらいで着きます。どうでもいいですがインターチェンジをICって略すとインテグレーテッドサーキットを連想してしまいます。)

ということで人吉に向かったのですが、人吉球磨ICは「ETC専用」と書いてあり「ETCじゃないけど?」とかいって通過。えびのジャンクションから引き返すことに。宮崎の県境を踏んでしまった。。。ETC専用ですがボランティアは係員が対応してくれます。そして高速を降りたあと、今度は人吉市社会福祉協議会までいってしまいます。誰もいないのでおかしいなと思ったら東間コミュニティセンターの張り紙が。ふたたび引き返します。こういうことがあるので早めに出ておいた方がいいです。

到着すると、検温、受付、オリエンテーションがあり、被災場所とのマッチング、用具の貸し出しまでたいへんスムーズに行われました。謝礼はもらわない、記念撮影をしない、参加者や被災者の個人情報を明かさない、必ず定刻に終了し、早めに終わっても割り当て以外の場所で活動しないなど、トラブルを回避するためのルールが確立しているのも好感を持ちました。災害ボランティアセンターの運営はたいへんシステマチックになされていたのが印象的でした。運営は県の職員でされているようで、休日返上で大変ですがお給料が出ていることに安心しました。

私の持論として、災害対応は行政とプロが中心になって行うものであり素人のマンパワーに頼るべきではないというものがあります。十分に組織化や訓練が行き届いていない集団がふわっとした善意でなにかをやろうとしてもトラブルが起こるのは目に見えていると考えるからです。さらにいえば、善意の皮をかぶった悪意に対抗できないと考えるからです。そのため、行政が運営に責任を持つことで、素人のボランティアをトラブルから守るという姿勢が徹底されているのがよかったです。

ではどうしてボランティアに行ったのかと言えば、それは人聞きが悪いですがgo to volunteerしたからです(あ、toは不定詞です)。つまり、ボランティアツーリズムということです。災害がおこったとき、一体何がおこっているのかこの目で見て体験してみたいというのが人情です。しかしそのような欲望をただ実行すると二次被害の危険があり、被災者の負担を増やします。その欲望と、現地の負担とを均衡させる「解」として生まれたのがボランティアという「マナー」なのです。これによって、私たちは野暮な好奇心を満たしつつ、あるいは善意に浸りつつ、被災地域の経済的・心理的負担を最小限にして「通過」することが可能になるのです。

人吉はずっといってみたいところでしたが、訪れてみると風光明媚のとてもすてきな場所でした。同時に、水害の爪痕はすさまじく、家の中のあらゆる調度が破壊されてしまうことが良くわかりました。その被害から前向きに立ち直ろうとしている人吉の方々を心から尊敬します。

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県道15号人吉水俣線の西瀬橋

文責:まりも